「残す建築」にチャレンジすること-
今から 30 年ほど前に建築業界に入りました。
当時の先輩たちはとても厳しく、何度も辞めたいと思うことがありました。
でもそれ以上に、モノづくりが好きで楽しくて、どんどん建築の世界にのめりこんでいったのを覚えています。
家をつくるうえで、安心や快適、使い勝手の良さはとても大切です。
自然を取り込むことや、住む人たちのストーリーもとても大事です。
そこを意識して、設計者と施主の想いがマッチした時に本当の意味での、孫や曾孫の代まで残せる「価値ある家」「居心地の良い家」が生まれるのだと思います。
伝統的建造物や茶道具などもそうですが、人が、人々が良いと思ったものは、いつの時代でも家や物に関わらず残りますし、残す努力がなされます。
今、僕も 40 代半ばになり、やっと自分が「設計者」として設計した家を自分が「大工」としてつくるという夢が一つ叶いました。
今後は、新築だけではなく古くなった建物を再生させたり、長持ちするための設計など「残す建築」にもチャレンジしていきます。
M図にも少しずつ、僕の考えに共感してくれる仲間が増えてきました。
あとどれくらい仕事ができるか分かりません。
一つひとつに心を込めて、設計していきます。