150年以上の歴史と家族の思い出が、今もこの家に

T様邸/宮崎県西都市

思い入れのある家も、高齢の母親のためにフルリノベーションへ

T様邸は明治時代から受け継いでこられた、150年以上の歴史がある建物。
ご主人もそこで生まれ育った思い入れのあるお家です。

その家を思いきってフルリノベーションしようと決断するに至ったのは、
お父様が亡くなられてご実家にお母様お一人になられたことがきっかけだったとのこと。
最初はご主人が単身赴任という形で一人お母様のお世話をされていました。

当時のことを振り返り、「慣れ親しんだ実家でしたが、実際にそこで介護をしてみると苦労の連続でした」とご主人。
古い家には段差が多く、家の中を移動するだけでもお母様の転倒のリスクがありました。
さらに古い壁や仕切りのない間取りは、外気がそのまま室内に入り込み、暑さや寒さによるお母様の体調への影響も心配。

そこで快適に過ごせる家にフルリノベーションし、奥様とともにその家で暮らすことになったのです。

こだわったのは「昔ながらのものを残しつつ、新しいものを取り入れる」ということ

「実家に戻ってみて本格的なリノベーションが必要だとは分かりました。
でも、やっぱり元の家も残せる部分は残したいと思ったんです」

それがT様とM図の取組みの出発点でした。

T様邸を訪れた担当者は、建物の柱や扉など良質な木材が使用されており、家の多くの部分はまだ残せるということを確信。
そこで“昔ながらのものをしっかり残しつつ、新しいものを取り入れ、不要なものは取り除く”というテーマでリノベーションに臨みました。

家の柱など非常に堅固でしっかりしたものはそのまま残し、断熱性の高い壁を組み合わせることで、
昔と変わらぬ重厚感ある柱に守られながら、住み心地のよい快適な空間を実現しています。
リビングと床の間がある部屋の間の仕切りは思いきって取り外し、大きく開くことができる引き戸タイプに変更。
これにより視界が開け、家族の憩いのスペースは広々と解放感のある空間に仕上がっています。

「引き戸を追加するためには天井部分をもっと低くする工事が必要だといわれましたが、
昔の鴨居はどうしてもそのままの形で残したかったので、M図さんに相談して残してもらいました」

大切な床の間も昔のままの姿で残し、欄間や障子も100年以上前から何も変わることなく、
明るい日の光を取り入れて室内を照らしてくれています。
「ここは昔とあまり変わらない。ここにいると心から落ち着いた気持ちになれますね」

ただ残すだけじゃない、古い物の魅力をさらに引き出すリノベーション

「昔から受け継いできたものを、少しでも新しい家に残していきたい」
ご主人のその思いを実現するために何ができるかを、徹底して考えました。

床の間の部屋の天井は、明治時代の木材がそのまま使用されています。
そのためそこに繋がるリビングスペースの天井には、床の間の天井と違和感なく馴染む杉材を使用することをM図からご提案。
施工前のリビング天井は昭和時代のシンプルな建材がそのまま使用されており、
もっと床の間の部屋の天井との調和を大切にしたいと考えたためです。

長い年月を経た木には独特の風合いが宿り、そこにはどんなに現代的なインテリアにも負けない魅力があります。
一見して気づかないような細部の工夫により、T様邸の趣ある美しさを最大限に引き出すことができました。

最新のものも取り入れ、住む人にとって安心・快適な家に

家は雰囲気だけでなく実際の住み心地も大切です。
奥様も、フルリノベーションされた家の住みやすさには大満足とのこと。
特に奥様のお気に入りが、システムキッチン。
M図がキッチンのグレードアップをご提案し、キッチンには最新のものが揃っています。
またM図の造作家具であるキッチンの棚やカウンターは、日常の使い勝手にこだわった配置に。
少ない移動で、洗ったものを一気に片付けてしまえるところがポイントです。

日頃はお仕事が忙しい奥様。
家づくりを振り返り「事前にあれこれ調べたりはしなかったけれど、すべてM図さんにお任せしてよかったですね」
と朗らかにお話されていました。

T様には高齢のお母様がいらっしゃるため、お母様が過ごしやすい環境にすることを第一に考えられていました。
断熱性を高めることはもちろん、昔の家特有の玄関の段差を解消し、縁側からの転落を防ぐため幅のあるウッドデッキを取り入れるなど、
お母様にとっても安心して過ごしてもらえる設計になっています。

新しい景色を楽しみつつ、家族でいつまでもこの家に

昔ながらの趣を残しながら、家族のこれからの暮らしを見据えて作り上げたT様邸。
ウッドデッキに座ると、そこがかつて縁側だったときと同じ、美しいお庭の眺めを楽しむことができます。

今は新生活が始まったばかりで何かと忙しく、まだ十分にこの家を楽しめていないと笑いながらお話されるご主人。
「落ち着いたらこの広々としたウッドデッキにハンモックを出し、のんびりとした時間を過ごしたいですね」と語ってくださいました。
一方の奥様は植物を育てるのがご趣味。
この家に移ってこられたときには、何百という多肉植物の鉢植えも一緒でした。
多肉植物に必要なのはたっぷりの日光と水と風。
広々としたお庭があるT様邸は、奥様の大切な植物たちにとっても理想的な環境でした。

「今は仕事が忙しいけれど、落ち着いたらもっと植物たちに目一杯手をかけてあげて成長を見守りたいです」とのこと。
庭には奥様の手で新しくイチジクの苗木も植えられました。
夏の風に揺れるオリーブの木。秋には色づく紅葉。そして奥様の大切な多肉植物たち。
150年の歴史あるT様邸の景色は、植物たちの成長に合わせてこれからも絶えず移り変わってゆくでしょう。

Q&Aお客様に聞きました

M図建築工房に依頼しようと思ったきっかけは何でしたか?
最初は古民家のリノベーションで実績がある会社ということで、M図さんに注目しました。
何世代にも渡って家族の歴史を見守ってきてくれた思い入れのある我が家です。何よりも、その魅力や価値を理解したうえでリノベーションを手がけてくれる会社に任せたいと思っていました。担当者さんともお話して、M図さんなら大丈夫と確信してお任せすることにしたんです。
リノベーションを進める中、特に印象に残っていることはありますか?
年月が経つうちに形が歪んでしまった木の扉があったんですが、枠とぴったり合わなくて隙間ができてしまっていたんです。もうこれは使えないのかと半分諦めていて。
でも、M図さんが頑張ってその扉を残してくれたときは嬉しかったですね。木材を補い扉と枠がぴったり合うよう工夫してもらったおかげで、今もこうして150年前と同じようにここにあるんですよ。
完成した家に実際に住んでみた感想はいかがですか?
実際に完成した家で過ごしてみると、以前より遥かに快適で住み心地のよい家になっていて驚きました。
実は、この家は父の代にも一度リノベーションしているんですが、その頃はまだ昭和で断熱なども十分ではなかったんですよね。今では外の気温が30℃を超える蒸し暑い日でも、家の中は快適な温度で心から寛げます。

リノベーション

DATA

  • 建築場所
    宮崎県西都市
    家族構成
    ご夫婦+お母様
  • 敷地面積
    -
    建物面積
    175.2㎡(約53坪)
  • 1階床面積
    175.2㎡(約53坪)

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